野良猫の子猫がずっと鳴いているんだけど、大丈夫かしら?
野良猫の子猫がずっと鳴いていると心配になり、「保護したほうがいいのでは?」と思ってしまいますよね。
でも野良猫の子猫がずっと鳴いている理由は、自分の存在を母猫にアピールするためです。色々なことを自分ではできない子猫にとって、鳴いて母猫に教えることで自分の命を守っているのです。
私も子供の頃に子猫を見つけ、保護していいものか悩んだことがあります。保護することで守れる命もあります。しかし、保護してしまったせいで育児放棄されてしまうことも…。
ここでは野良猫の子猫がずっと鳴いている理由と子猫の正しい保護の仕方をご紹介します。
この記事を読めば、野良猫の子猫がずっと鳴いている時の対応方法がわかり、子猫を助けてあげることができるかもしれませんよ。
野良猫の子猫がずっと鳴いている理由は存在をアピール
そもそも、野良猫の子猫がずっと鳴いているのは自分の存在を母猫にアピールしているから。
子猫は大人の猫と違いよく鳴きます。それは、自分ひとりでは生きていくことができないからです。
野良猫の子猫がずっと鳴いているのは常に「お腹がすいたよ」「怖いよ」「寒いよ」など母猫に訴え、母猫に様々な世話をしてもらえるようにするためです。
子猫ずっと鳴き続けるというのは生きていく術なんでしょうね。
人間の赤ちゃんもよく泣き、様々なことを母親に訴えてきてくれます。
私にも子供がいますが、赤ちゃんの時はよく泣いて、色々と教えてくれていました。第一子の時はなんで泣いているのか分からず、焦ってしまっていたことを覚えています。
人間の赤ちゃんであれば母親が徐々になんで泣いているのか分かるようになります。それと同じように、母猫も子猫がなんで鳴いているのか分かっているのかもしれません。
しかし、人間が子猫の鳴き声を聞いただけではなんで鳴いているのか判断するのは難しいようです。
不安や不満やストレスで鳴き続けることもある
野良猫の子猫は自分で餌を確保したり、おしっこをしてもきれいにしたりできません。それを母猫に訴えてるために鳴いています。
しかし、「お腹がすいた」「おしっこしたよ」といくら訴えても、改善されなかった場合はどうでしょう?人間と同じように不満がたまります。
母猫が居ない状況になった時には不安感も感じるでしょう。
また、病気やケガで痛みや違和感、不快感などを感じていてずっと鳴いているということもあります。
不安や不満・病気などが子猫にとってはストレスとなって鳴き続けてしまう原因になるようです。
他には、発情期でずっと鳴いているということもあります。
「子猫なのに発情期?」と思うかもしれませんが、猫の性成熟は早いと半年。体が熟成してくると異性を求めて鳴き続けます。
これは猫の本能的な欲求なので猫自身で抑えることはできません。
大人の野良猫よりも飼い猫はよく鳴くのはなぜ?
野良猫と飼い猫でも鳴き方の違いがあるようで、野良猫は普段あまり鳴きません。
なぜかというと外的から身を守ったり、獲物を捕るために自分の存在を隠して生活ししたほうが野良猫にとっては都合がいいからです。
それでは野良猫同士のコミュニケーションは鳴かずにどうやってとっているのでしょうか?野良猫同士は、においやボディーランゲージでコミュニケーションをとっています。
野良猫がもしずっと鳴いていることがあるようなら、発情期か猫同士の喧嘩がほとんどです。
逆に飼い猫はよく鳴きます。飼い猫は人間と生活をするために、人間の最大のコミュニケーションツールである言葉を真似して鳴いているようです。
鳴いて知らせしたほうが、人間に伝わりやすいと猫的に思うのかもしれませんね。
大人の飼い猫であれば鳴き声で気持ちがわかる
子猫の鳴き声ではなんで鳴いているのか私たちには分からないことが多いのですが、大人の猫なら鳴き声で気持ちを理解することができます。
猫の鳴き声 | 猫の気持ち |
「ニャーン」「ニャーオ」という少し長めの鳴き声 | 甘えたい・遊んで欲しい・お願い・大好き |
「ニャッ」という短い鳴き声 | 挨拶や優しく撫でて欲しい時 |
「ミャーオ」「アオーン」という低い鳴き声 | 強く何かを訴えている時 |
「ニャオーン」「ウミャー」という高い鳴き声 | 不安を感じている時 |
「シャーッ」「フーッ」と激しく鳴く | 強い威嚇や拒否している時 |
他にも色々ありますが、このように鳴き声で猫の気持ちを知ることができるのです。
また、大人の猫でも鳴き止まないという時はストレスが溜まっている可能性も考えられます。
野良猫の子猫を保護する時の注意点
野良猫の子猫がずっと鳴いていると、なんだか心配になってすぐに保護してしまいたくなりますよね。でも、すぐに保護することはしないでください。
子猫は自分の存在をアピールするためにずっと鳴いています。母猫が餌を探しに行っていて、それを待っているだけということもあります。
まずは、野良猫の子猫を見かけたらすぐに保護はせず、周りに親猫や兄弟猫が居ないかを確認してください。
首輪をしていないからと勝手に判断はせず、しばらくその子猫の置かれている状況を観察してください。。マイクロチップを埋め込んでいるということもあるので注意しましょう。
周りに親猫や兄弟猫が居ないと確認できた段階で子猫を保護します。
野良猫の子猫に人間が触れたことで、人間のにおいがついて母猫が育児放棄をするということもあるのですぐに抱っこしたり、触ったりするのはやめましょう。
野良猫の子猫を保護した時はまず病院に連れて行く
親猫や兄弟猫が居ないと確認ができた場合は野良猫の子猫を保護し、病院へ連れて行ってください。
感染症やノミ・ダニがついていないかなどの健康チェックをしてもらいます。おおよその年齢や性別を獣医師に聞いておきましょう。
また、生後2か月を過ぎている場合はワクチン接種も必要となります。
里親を探す場合にはこれらの内容が必要となります。
また保護した時に子猫の体が冷えているようなら体を温めてあげてください。子猫は寒さに弱い上に体温調節機能が未発達です。
猫の毛は油分が少ないために水をはじきにくく、濡れると乾きにくいです。そのため、子猫が濡れていた場合はタオルやドライヤーを使って乾かしてあげましょう。
保健所への問い合わせやSNSで迷い猫でないことを確認
野良猫の子猫と判断して保護していますが、もしかしたら必死に探している飼い主さんがいるということも考えられます。
迷い猫は「脱走した家畜」という扱いになり、飼い主さんは届け出をする必要があります。
保健所や警察に問い合わせをし、SNS上に迷い猫の情報がないか、迷い猫掲示板も確認するといいでしょう。
また、地域で世話をしている猫という場合もあります。
避妊手術を済ませて元の場所に戻して見守っている場合があるため、地域のボランティア団体などがないか確認し、連絡をしてみることも大切です。
子猫が安心して過ごせる環境を整えることが大切
野良猫の子猫を保護した場合、子猫がストレスなく落ち着いて生活できる環境を整えることが大切となります。
子猫の最適な室温は30度程度。一時保護するときも段ボールの中に毛布やタオルを敷き、湯たんぽや使い捨てカイロを置いた上に毛布やタオルを掛けて最適な寝床を作ってあげましょう。
- ゲージ
- トイレ用品
- 毛布やタオル
- 食器
- フード
- 猫用ミルク
- グルーミング用品
- おもちゃ
他にもあったら便利なものはたくさんありますが、まずは最低限必要なものをそろえてあげましょう。子猫と生活していく中で必要になるものがでてきた場合に買い足すことをお勧めします。
また、どのようなフードがいいのか、どのくらいの頻度でフードをあげたらいいのか、ミルクは飲ませたほうがいいのかなどは子猫の年齢によって違います。
病院に行った時に獣医師に確認しておくといいでしょう。
子猫の病院代や必要物品のお金はどれくらいかかるの?
野良猫の子猫を保護して病院い連れて行った場合、はじめに病院でかかる費用は約5000円~15000円程度です。
連れて行く病院によってはもっとかかってしまうことも…。
子猫の年齢によっては、ワクチン接種もしないといけませんし、なにか病気や感染症などがあった場合はこの金額に治療費も追加されてきます。
また、子猫と暮らすために最低限の必要物品をそろえた場合は約20000円程度かかります。
子猫を保護して1年以内には避妊手術をしたりと、色々とお金がかかってきます。
病院に電話をしてどのくらいの費用がかかるのか確認しておくことも大切ね。
野良猫の子猫の生存率は50%以下
野良猫の子猫にとって、野外での生活はとても厳しい環境です。この厳しい環境で生き延びるのはとても大変なこと。
野良猫の子猫の生存率は50%以下言われていて、決して高いとは言えない数値です。
猫は1回に2~6頭の子猫を生みます。しかし、野良猫の子猫は子猫のうちに半分以上が亡くなってしまいます。飼い猫の子猫であれば飼い主さんが大切に世話をしてくれますよね。
もちろん、野良猫の母猫だって一生懸命世話をしていると思います。しかし、野良猫の場合は母猫が栄養失調で母乳が出ないために子猫も栄養失調になってしまうことがあります。
また天敵に襲われて怪我をしたり、ヘビやカラスなどに子猫が捕食されてしまうということもあります。
他にはウイルスや菌に感染し、子猫が命を落とすということも…。これらのことが、野良猫の子猫の生存率を下げているのです。
野良猫の子猫にとって、野外での生活は生存率をかなり低下させるリスクの高い環境であるということが言えます。
私はこの生存率を知り、もし野良猫の子猫を見かけたら保護してしまうのではないかと思います。
野良猫の子猫は注意して飼おう!8つのポイントをご紹介
野良猫の子猫を保護し、そのまま飼うことが決まった場合の注意点をご紹介。
- 子猫なのでつきっきりでのお世話が必要
- 子猫を外に出さない
- 先住ペットと子猫はしばらくのアイで、同じ空間では飼育しない
- 野良猫だったのですぐにはなつかないので根気よく関わる
- お風呂に入ることがストレスになることがあるので無理に入れない
- トイレのしつけは根気よく気長にする
- 不妊手術は必ずする
- 最後まで責任を持ち、育てる
子猫の月齢によってはミルクを何回もあげないといけなかったりと様々なケアが必要になります。
また、「野良猫だったから外でも大丈夫」と思ってしまいがちですが、子猫の健康や安全上、外には出さず室内で飼育してください。
元々ペットを飼っている場合は、野良猫の子猫が感染症などにかかっていていることも考えられます。
先住ペットに感染させる可能性もあるので、同じ空間では飼育しないように注意してください。病院で感染症の心配がなくなったことを確認してから同じ空間にするようにしましょう。
野良猫だったので、元々警戒心も強く、すぐにはなついてくれないでしょう。そんな時は急がずに根気よく、距離をとりつつ関わってください。
ごはんを食べないということもあるかもしれませんが、見られていない時に食べることもあるのでそっとしておいてみましょう。
野良猫はお風呂に入る習慣はないので、お風呂をすごく嫌がるかもしれません。汚れが気になると思いますが、子猫が慣れるまではお風呂には入れないほうがいいでしょう。
野良猫だったので、飼い主さんが設置したトイレでおしっこをしてくれるはずがありません。
落ち着きがなく部屋の中を歩いている様子を見かけたら、トイレに連れて行ってあげてください。徐々に覚えてもらうしかありません。
いつ、どこで妊娠してしまったり、妊娠させてしまったりするということが考えられます。無計画な妊娠をしたり、させたりすることで捨て猫などになるする可能性もあります。
そのようなことが起こらないためにも不妊手術はしましょう。
ここで一番大切なのは、野良猫の子猫を飼うと決めたなら、猫が一生を終えるまで責任をもって育ててください。
猫を飼うにはそれなりの費用がかかり、お世話もしないといけません。覚悟を持って飼いましょう。
一生懸命お世話した子猫がなついてくれた時はとってもハッピーな気持ちになると思います。
自分にとってかけがえのない存在になることも…。小さな命を大切にしていきましょう。
まとめ
- 野良猫の子猫がずっと鳴いているのは、自分の存在を母猫にアピールしているから
- 子猫は不安・不満やストレス、発情期でずっと鳴き続けることがある
- 大人の野良猫は自分の身を守ったり獲物を確保するためにあまり鳴かないが、大人の飼い猫は人間とコミュニケーションをとるためにたくさん鳴く
- 子猫の鳴き声を聞いて気持ちを理解することは難しいが、大人飼い猫であれば鳴き声で気持ちを理解することができる
- 野良猫の子猫を見かけた時は周りに親猫・兄弟猫がいないかを必ず確認してから保護しないと人間のにおいがついてしまい育児放棄することもある
- 野良猫の子猫を保護した場合はまず病院に行き、健康チェックをしてもらう
- 迷い猫でないかを保健所に問い合わせたり、SNSを使って確認する
- 保護した子猫が安心して暮らせる環境を作ってあげることが大切となり、必要最低限のものをそろえると約20000円程度かかる
- 子猫を保護して病院に連れて行く場合の費用は約5000円~15000円程度かかり、病院によって費用の違いがあるので、事前に電話して確認しておくことも大切
- 野良猫の子猫の生存率は50%以下、子猫にとっては野外での生活はとても厳しい
- 野良猫の子猫を飼う時は、手厚いお世話と根気よく関わりストレスをかけずに子猫に慣れてもらうこと、不妊手術は絶対にして最後まで責任を持って育てることが大切
いつどこで野良猫の子猫とでくわすかわかりません。
そんな時はこの記事を思い出して、正しい保護方法を実践してみてください。あなたのその行動で小さな可愛い命が助かるかもしれませんよ。
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