コンタクトの保存液を忘れたときの対処法!間違った方法は危険!

残念ながら、コンタクトの保存液は他のもので代用することはできないので、コンビニやドラッグストアで保存液を購入しましょう。

どうしても保存液を手に入れることができない場合には、生理用食塩水を使う方法がありますが、保管は短時間にとどめ、自己責任の範囲で行いましょう。

コンタクトの保存液以外のものを使うと、コンタクトや目を傷つけてしまうなどデメリットが大きいです。

この記事では、コンタクトの保存液を忘れた時の対処法、保存液を使わなかったときの危険性や、旅行の際に知っておきたいことをご紹介します。

この記事を読めば、今、保存液を忘れたと困っているあなたも対処法がわかり、安心してコンタクトを使う方法がわかりますよ。

コンタクトの保存液を忘れたとき自己流の対処は危険!

コンタクトの保存液を忘れた時は、コンビニやドラッグストアで購入するのがおすすめです!

１回だけの使い切りタイプのコンタクト保存液がコンビニでも販売されていますよ。

コンビニだけでなく、ドラッグストアも夜遅くまで開いているところも多いので、手に入れやすくなっています。

「買いに行くなんて面倒!」、と思われるかもしれませんが、コンタクトや自分の目を傷めてしまった場合、その後の対応の方が大変です。

コンタクトは保存液以外のものに浸すと、コンタクトを傷めてしまう危険性と、自分の目に感染症を起こすリスクがあるためおすすめできません。

保存液を忘れた時は、代用できるものを探すより、コンビニに走った方が早くて安全といえるでしょう。

生理食塩水の利用は自己責任の範囲で行う

コンタクトは保存液以外の物には浸さないことが大前提です。

しかし、どうしても購入が難しい場合に、自己責任の範囲において、生理食塩水に浸す方法を試してもよいかもしれません。

生理食塩水は人の体液に近い食塩水ですね。これは0.9％の濃度になるように、水と塩で作ることができるので、材料を揃えやすいことがメリットです。

コンタクトの保存液を忘れた時、保存液の購入もできなければ、一時的な保管に検討してください。

コンタクトを生理食塩水に浸す場合は、できるけ短い時間にとどめるようにしてください。

コンタクトの保存液として、生理食塩水の使用はおすすめできません。その点を理解したうえで、どうしても必要な時は、自己責任で行ってください。

苦渋の選択で生理食塩水を使うよりも、外出する際は、保存液と保存ケースを携帯するよう心がけましょう。

コンタクトの保存液の役割とは?

コンタクトの保存液は、細菌から目を守る働きがあります。

また、レンズ表面の乾燥を防ぎ、汚れやくもりの原因を防ぐ効果もあります。

コンタクトを快適に使用するために欠かせないケア用品と言えますね。

水道水以外に、生理食塩水、涙に近い成分の目薬や洗眼液をコンタクトの保存液を忘れたときに代用する方法が紹介されていることがあります。

しかし、いずれの物もコンタクトの保存液に含まれる成分とは違うものなので、おすすめできません。

また、いったん乾燥してしまったコンタクトを保存液に浸しておくと元の状態に戻ったように見えますが、再利用することはできないことが多いです。

いったん乾燥したコンタクトは水分が抜けて乾燥する際にキズやひび割れができてしまうことがあるので、見た目には元に戻ったように見えますが、目を傷つけてしまう可能性があります。

コンタクトの保存液は代用しない以外に注意点は?

コンタクトの保存液を忘れた場合も水道水に浸すなど、保存液以外の物で代用しないようにしましょう。

コンタクトの保存液は透明なので、一見すると水道水と変わりませんが、中に含まれる成分が全く違います。

コンタクトが水道水に触れると、水道水に含まれる塩素や浸透圧の変化の影響で、変形や変色の原因になります。

変形したコンタクトは、目がゴロゴロするなど目の違和感や、目を傷つけてしまう原因になります。

また、水道水を使うことで、アカントアメーバ角膜炎という感染症の一種を発症するリスクが高くなってしまいます。

水道水が原因となるアカントアメーバ角膜炎とは?

アカントアメーバ角膜炎とは、アカントアメーバという微生物が原因で起きる角膜炎です。

コンタクトの普及とともに、増加している病気です。

アカントアメーバは水道水のほかに、海水、プールなどでも確認される微生物ですが、正しくコンタクトを使用していれば、感染しにくいものです。

一方で、アカントアメーバがコンタクトについてしまった場合、洗浄液を使っても死滅させることが難しいとされています。

アカントアメーバは感染してしまうと、診断や治療が困難な病気です。

初期症状は目やにで、徐々に目の痛み、充血度が強くなっていきます。普通の抗生物質は効果がなく、よく効く薬がないのです。

重症化しやすく、時には何ヶ月も治療を続ける必要があり、角膜移植が必要になることも!

さらに最悪なケースでは失明すらありえるのです。

コンタクトの正しいケアで大半は防げるはずなのに、ケアを怠ったばかりに失明なんて怖いですね。

アカントアメーバ角膜炎をはじめ、コンタクトによる感染症予防のために、コンタクトレンズ学会と眼感染症学会はレンズケースの交換を３ヶ月ごとにするよう呼びかけています。

以下に、アカントアメーバ角膜炎の予防法をまとめましたので参考にしてください。

保存液と同じくらいレンズケースのケアも大切!

保存液を使用しても、レンズケースが不衛生な状態だと、眼疾患を引き起こすことがあります。

前述した通り、水道水でコンタクトを保存すると、レンズケース内でアカントアメーバなど微生物が増殖してしまう可能性があります。レンズケースのケアは欠かせません。

レンズケースは使用の都度、流水でしっかり洗います。

洗った後はしっかりと自然乾燥させることがポイントです。

コンタクトの保存液を飛行機に持ち込む際の注意点

コンタクトの保存液や洗浄液を飛行機に持ち込む時に注意が必要なのは国際線です。国内線は特に制限はありません。

国際線にコンタクトの保存液を持ち込む場合

国際線の機内に手荷物として洗浄液や保存液を持ち込む場合、「液体物」として持ち込むか「医薬品」として持ち込むかによって、制限に違いがあります。

液体物として機内に持ち込む場合

「液体物」として持ち込む場合は、液体の機内持ち込みに制限があります。

「100mlまたは100gの容量以下の容器に入れ、さらにそれら容器すべてを容量1リットル以下の再封可能な透明プラスチック袋に収納する」という規定があります。

この袋を1人につき1つのみ持ち込めます。液体物の総量の制限があるため、化粧水や保湿液など他の液体物の量や機内で使用する量などを考慮して、液漏れがないようにパッキングしましょう。

医薬品として機内に持ち込む場合

「医薬品」としてコンタクトの洗浄液・保存液を国際線の機内に持ち込む場合は、「機内で必要な分のみ」という制限があります。

透明のプラスチック袋に入れる必要はありません。

また、医薬品であることを証明するために、説明書などの提示が必要な場合もあるので準備が必要です。

液体の機内に持ち込みを考えると、保存液や洗浄液を必要としない使い捨てのワンデータイプのコンタクトレンズが便利です。

預け荷物にするときは、洗浄液・保存液の中身が漏れないようにしっかりとフタを閉め、ビニール袋などに入れておくと良いでしょう。

国内線にコンタクトの保存液を持ち込む場合

国内線の場合、下記の表のように決められています。

ただ、飛行機にコンタクトの保存液をこれほど大量に持ち込むことはないので心配はいらないでしょう。

	機内手荷物	預け入れ荷物	1人当たりの最大許容量
医薬品類および化粧品類	可	可	2㎏または2L（１容器あたり0.5㎏または0.5L）

まとめ

• コンタクトを保存液以外のものに浸すと、コンタクトを傷めてしまう危険性と、自分の目に感染症を起こすリスクがある
• コンタクトが水道水に触れると、塩素や浸透圧の影響で、変形や変色の原因になる
• 水道水、生理食塩水、涙に近い成分の目薬や洗眼液は保存液の代用として使用できない
• 水道水を保存液として使うと、治療が難しいアカントアメーバ角膜炎にかかるリスクが高まる
• アカントアメーバ角膜炎はコンタクトの正しいケアで大半は防げる
• コンタクトの保存液は代用ができないので、忘れたときはコンビニやドラッグストアで購入するのがおすすめ
• 眼疾患を予防するために、レンズケースは使用の都度、流水で洗い、洗った後はしっかりと自然乾燥させる
• 飛行機にコンタクト保存液を持ち込む場合、国際線では持ち込む量を100ｍL以下にする必要がある
• 外出時や旅行には、持ち運びに便利なワンデータイプのコンタクトも選択肢に入れるとよい

コンタクトの保存液を忘れたとき、他のものでは代用できないので残念に感じられたかと思います。

しかし、誤った方法をしてしまうと最悪の場合、失明することがあると知ると、保存液を忘れたときだけでなく、普段のコンタクトのケアもしっかりしたくなりますよね。

この記事が、大切なあなたの目とコンタクトを守ることにお役立ていただけたら嬉しいです。