テレビは子どもの発達に悪影響を及ぼす可能性があるから、2歳までは見せないほうが良いって聞いたんだけど…。
このようなことは比較的よく聞くし、テレビなし育児については、どちらかと言うとメリットを多く取り上げた記事をよく見かけるように思います。
テレビなし育児っていい事ばかり?本当にデメリットってないの?
テレビなし育児には、親も見たい番組を見られない、家事をする時間がない、歌を覚える機会がない、などのデメリットがあります。
実際にテレビなし育児をされている方の中には、「デメリットはない」と書かれている方もおられました。
自然と対策がとれているからこそ、デメリットだとは感じていないだけなのかもしれません。
今回は、テレビなし育児のメリット・デメリット、それに対する対策についても、数ある体験談をもとに紹介していきます。
これを読めば、テレビなし育児についての知見が拡がるのではないでしょうか。
テレビなし育児のデメリット5点と対策
次は、よく聞かれる代表的なデメリット5点について、対策とともにまとめてみました。
- 見たい番組が見られない、話題についていけない
- 家事をする時間がない
- 歌を自然に覚える機会が少ない
- 想像力が低下する可能性があると言われている
- 行動の切り替えが難しい時がある
1.見たい番組が見られない、話題についていけない
テレビを設置している家庭でテレビなし育児をするならば、大人に見たい番組があっても見られない、ということがあるでしょう。
これについては対策として、以下のことを実践されている方が多いようです。
- 録画をしておいて、子どもたちが寝静まった後に見る
- TVerなどを活用して大人だけ見たい番組を見れるようにしている
子どもに気付かれないようにしながらテレビを活用する必要があるそうですね。
保育園・幼稚園のイベントで使われる歌とダンスが分からないことがあるわ。
『おかあさんといっしょ』で使われている楽曲を知らなくて、ママ友との会話で一瞬困ったよ。
という体験をされている方もいらっしゃるようです。
これに対しては「子供番組で使われている有名な楽曲については、CDやスマホの音楽アプリ、YouTubeなどを使って聴かせるようにした」という意見が多く見られました。
友達との話題についていけなくなるのでは?
このような疑問も散見されましたが、正直0〜2才のうちは、子ども同士でテレビについておしゃべりすることはないので、そこまでの心配はないようです。
2.家事をする時間がない
後追いが激しい時期は、特に家事をする時間がないと感じることが多いようです。
その場合、割り切って「家事はしない!」という選択をしていた家庭もあるようです。
でも家事をしないと困ることもありますよね…。以下のような対策をすることをおすすめします。
- 子どもがお昼寝をしている時と、機嫌のいい時に少しずつサッと家事をこなすおうち遊びで退屈しないようおもちゃの種類を増やす
- 子どもが夢中になれそうな遊びを見つけて、それに集中してもらえるように工夫する
このように工夫しながら、家事ができそうな時には少しずつ進めるようにすると良いですね。
3.歌を自然に覚える機会が少ない
テレビなし育児では、代表的な子供番組『おかあさんといっしょ』も見ないということになるので、歌を自然に覚える機会が少ないと感じることも多いようです。
これに対しては、デメリット1に対する対策にも似てきますが、CDやスマホの音楽アプリ、YouTubeなどで歌を聴く機会を意識的に増やすなどの対策がおすすめです。
テレビ以外にも歌を覚える方法はありますので、うまく活用できれば歌を覚えることができますね。
4.想像力が低下する可能性があると言われている
テレビを見ないとなると、たくさんの言葉を自然に浴びる機会が減るため、逆に語彙力と想像力が伸びないのではないか、といった意見も散見されます。
確かに、動画で色々な内容を見聞きするからこそ、本に書いてあることや相手の話す内容を、頭の中で映像化してイメージする力が培われやすいのかもしれません。
しかしそれをするのであれば、一般的なテレビ番組を何となく流しっぱなしにしておくのではなく、教材DVDや厳選した動画を大人が選んで見せるようにする方がいいようです。
テレビはネット動画のキャスト用として使用し、何となく番組をつけっぱなしにしておくのではなく、自分や子どもにとって有益な番組のみを見る。
ネット環境の普及から、適切な情報の取捨選択を行っていくことで、想像力の低下を防ぐこともできそうですね。
5.行動の切り替えが難しい時がある
テレビを見せずに過ごしていると、例えば「この番組が終わったら○○しようね」と、番組ごとで区切りを決めての行動はできません。
子どもにとっては、番組の区切りと言うきっかけがあるほうが分かりやすいし、次の行動に移しやすくなります。
それらの対策として、2歳ぐらいから「長い針が○○(数字)、短い針が○○(数字)になったら〜しようね」と言うように、時間で分かりやすいきっかけを与えるようにされた方もおられます。
時計の針を使うことで、上手くいけば時間の概念や時計への馴染みも早く、学習も兼ねて一石二鳥と言えそうですね。
ここまでデメリットをご紹介してきましたが、次はテレビなし育児のメリットについてもお話していきます。
テレビなし育児のメリット5点
テレビなし育児にはかなりメリットも多そうですよね。以下に、そのメリットについて代表的なものを5つまとめてみました。
- 子どもが集中しておもちゃで遊ぶようになった
- 子も自身で物事を考えるようになった
- テレビによる無駄な購買意欲を掻き立てられなくて済む
- 本や音楽に触れる時間が増え、親子の時間を大切にできる
- 言葉が増えた
メリットについて、1つずつ詳しくご紹介していきます。
1.子どもが集中しておもちゃで遊ぶようになった
まずテレビによる雑音がないので、集中力が散漫せず、おもちゃで遊ぶことに集中できますよね。
やはりテレビが点いていると、そこは常に映像と音が流れている環境になってしまいます。
幼い子どもにとってそれは好奇心のかたまり!常に動く映像や聞き慣れない音の方に興味がいくのは当然です。
するとそれが気になってしまい、おもちゃで遊ぶのを途中でやめてしまいます。テレビなし育児では、そのようなことがありません。
2.子ども自身で物事を考えるようになった
常に受け身状態になってしまうテレビを生活の中からなくすことで「自分で考えて行動する」力が付きます。
テレビを見ることがない分、手先や頭を使う積み木やパズル、お絵描き、身体を動かす運動など機能的な遊びをして過ごすことになりますよね。
すると必然的に脳が発達し、発想力や自分で考える力を養うことにつながるからです。
3.テレビによる無駄な購買意欲を掻き立てられなくて済む
テレビを見なければ、テレビCMをきかっけとした購買意欲を掻き立てられることがなくなります。
例えば、プリキュアやポケモンなどを放送している時間帯では、関連するグッズなどのCMがバンバン流れています。
それが子どもの目に留まると、多かれ少なかれ欲しがるきっかけとなってしまいます。
テレビなし育児では、そのようなCMを目にすることもないので、当然それらのグッズを欲しがることもないですよね。
4.本や音楽に触れる時間が増え、親子の時間を大切にできる
テレビを置かない分、絵本や音楽に触れる機会を増やすことで、必然的に親子の時間を大切にできそうです。
絵本を毎日10冊以上読むことで、子どもも自分から絵本を見たがるようになり、3歳になっても絵本が大好きで集中して見てくれるようになったわ。
このような体験をされた方もいるようです。どうしてもテレビがあると、「テレビに育児をしてもらう」状態となりがちですよね。
テレビがないからこそ、子どもとの時間をより大切に思えるようになったと言えるでしょう。
また最近ではキッズの英語ソングや、育脳クラシックなど、心地いい音楽や教育に最適な音楽を、Amazonミュージックなどのサービスで選んで聴かせることもできますよね。
テレビを買うより音質のいいスピーカーを買うほうが断然いい!
このような意見も見られます。良いスピーカーを購入して、家族みんなで楽しむのも良いですね。
5.言葉が増えた
テレビなし育児をすることで、一人で遊んでくれない後追いのときでも、抱っこやおんぶなどをして過ごす時間が増え、ママが話しかける機会も増えます。
それにより、言葉を耳にする機会が増え、語彙力が上がりやすいようです。
周りの子と比べて「よくしゃべるね〜」「もうそんな言葉覚えてる(解る)んだ」と言われることが増えました。
テレビなし育児をする理由
各家庭でテレビなし育児をするかしないか、実践する理由もきっかけもそれぞれあるかと思います。
その中でも、「テレビは言語発達の影響や育児面でのデメリットがある」と言われていることを理由として、テレビなし育児をされている方が多いようです。
では、そもそもテレビなし育児とは何なのでしょうか。
テレビなし育児とは?
そもそもテレビなし育児とは、文字通り、育児中子どもにテレビを見せない育児のことです。
「見せない」というより、そのような家庭にはまずテレビ自体が置かれていないことの方が多いので、テレビの存在自体を知らずに成長する、ということになりますかね。
しかし、なぜ子どもにテレビを見せないほうが良いと言われているのか。
それは、乳幼児の言語発達の遅れや社会性発達の遅れが起こる危険性があると言われているからです。
これについては平成16年4月1日に、日本小児科医会により発表された「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視は危険です」とした提言の中でも、具体的検証結果とともに発表されています。
その他にも、自発的に遊びを覚えなくなる、睡眠不足や運動不足に繋がる可能性があるなどと言われており、テレビが子どもに与える悪影響は数多く挙げられています。
テレビなし育児をする理由
テレビなし育児をする理由の多くは、日本小児科学会の提言『テレビは言語発達の面で大きな影響と育児面でもデメリットがある』ことがきっかけのようです。
他にも以下のような理由やきっかけが見受けられました。
- 元々テレビをつけっぱなしにするのが嫌いだった
- テレビがあると黒い画面がインテリア的に邪魔
- テレビを見るととにかくダラダラしてしまう
メリットやデメリット、理由を踏まえた上で、テレビなし育児をしていくのかご家族で話し合い、納得のいく選択をしていくことが大切になりますね。
まとめ
- テレビなし育児のデメリットは、見たい番組があっても見られない、話題についていけない、家事をする時間がない、などがある
- また子供が歌を自然に覚える機会が少ない、想像力が低下する可能性があると言われている、行動の切り替えが難しい時があるなどもデメリットである
- テレビなし育児のメリットは、おもちゃで集中して遊ぶようになる、自分で物事を考えるようになる、無駄な購買意欲を掻き立てられない絵本や音楽が好きになる、親子時間を大切にできる、言葉が増えることなどがある
- テレビなし育児とは、育児中子どもにテレビを見せない育児のこと
- 乳幼児にテレビやビデオを長時間見せると、悪影響を及ぼす可能性がある
- 日本小児科学会が提言している「テレビは言語発達の面で大きな影響と育児面でもデメリットがある」ことが理由で、テレビなし育児をしている人が多い
- 元々テレビをつけっぱなしにするのが嫌いだった、テレビがあると黒い画面がインテリア的に邪魔、テレビを見るととにかくダラダラしてしまう、などの理由でテレビを見ない人もいる
以上のように、今回はテレビなし育児のメリットはもちろん、デメリットにもしっかり焦点を当てて、体験談から対策とともに紹介してきました。
テレビなし育児を実践するとしても、ずっと見せないことを貫くのは不可能に近いです。
実際に実践された方の中にも、特に0〜2歳の間は、言語や脳の発達が著しい時期なので、極力見せないようにした方が多いようです。
でも、幼稚園や保育園へ通うようになる頃には、子どもの見たい番組だけを録画して見せるようにするなど、時期によってスタイルを変えたという方もおられます。
このように、テレビを見せはじめるのはいつからでもできますが、テレビなし育児は低年齢からであればあるほど始めやすいようです。
テレビに頼らないことで、子どもとの触れ合いを大切にし、その時期にしか見られない成長を、我が子とともに喜ぶようにしていけたら理想的ですね。
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